カミカゼ☆エクスプローラー

POPULARITY CONTEST -キャラクター人気投票-


  • 「みんなー、おいっすー!」
    「え?」
    「みんなー、おいっすー!」
    「お、おいっすー……?」
    「元気がないぞー!? もう一度、おいっすー!!」
    「おいっすー!」
    「……あの、まなみさん? 今日は先日開催された『カミカゼ☆エクスプローラー!』ヒロイン人気投票の結果発表だと聞いてやってきたのですが……」
    「おいっすーっ!!」
    「お、おいっすー!」
    「こういう時こそ、元気をね!? 出していこうよ!! 出さなきゃダメだよ、元気!! ねっ!!?」
    「そっ、そうですよねっ! 元気が一番!!」
    「……で、こういう時って……なにか元気がでなくなるようななにかが」
    「おいっすー!!」
    「またっ!?」
    「ええと……本来司会進行役であるはず速瀬まなみさんがこのような状態ですので、私、景浦智がまなみさんに代わって進めさせていただきます」
    「おいっすー…………っ」
    「……と、というわけで、第五位からの発表となります。えーと、第五位…………」
    「(これか……)」
    「コホン――『カミカゼ☆エクスプローラー!』メインヒロイン五人中、第五位になりましたのは――」
    「主人公・速瀬慶司さんの妹、澄之江学園1年B組所属、速瀬まなみさんです!!」
    「…………おいっすー…………」
    「まなみさん! いつものまなみさんらしくありませんよ!?」
    「智ちゃん……」
    「いつものまなみさんなら、この結果をバネにさらなる研鑽を積み重ねるはずです! 違いますか!?」
    「う……でも……」
    「それに今回の人気投票は、まだまだ発売を先に控えてのものじゃないですか。アピールはこれからですよ」
    「そ、そっか……そうだよね!」
    「そうだよ……よく考えたらまなみ、元々晩成型って言うの? あとからこう、メキメキっとね、伸びてくるタイプだった!」
    「その通りです。私もまなみさんのたゆまぬ努力には、いつも頭が下がる思いですよ」
    「そ、そんな大したことはしてないんだけどね? アハハハハ」
    「よぉっし、智ちゃんのおかげで元気出てきた! まなみの作戦は、最後方からの直線一気!! 上がり3ハロン33秒フラットで、ゴールまですべてを貫け! ペネトレイターッ!!」
    「言葉の意味はよくわかりませんが、素晴らしいですっ! その意気ですよ、まなみさん!」
    「ありがとう、智ちゃん! じゃあ、わたしが抜きさらなくちゃいけない女の子たちを見ていこうか」
    「はいっ」
    「というわけで、第四位の発表ですっ!」
    • 「第四位は、祐天寺財閥のお嬢様、祐天寺美汐ちゃんでした! 美汐ちゃんは、わたしや智ちゃんと同じ1年B組で、『アルゴノート』っていう学園のお困り解決クラブを作った張本人なんだよ」
    「ちなみにここにいる智ちゃんは、美汐ちゃんの付き人でボディガードとかしてるんだって――って、智ちゃん?」
    「……お嬢様が四位だなんて……お嬢様が四位だなんて……お嬢様が四位だなんて……」
    「…………アピールはこれからちゃうんかい」
    「だって美汐お嬢様ですよ!? 容姿端麗にして文武両道に秀で、唸るメティスはあらゆるものを焼き尽くす『プロミネンス』! いったいお嬢様のなにが不満だというのですか!?」
    「ぽち、お黙りなさい」
    「あ、美汐ちゃん。四位だって、残念だったねぇ」
    「別に構わないわ。まなみと同じでこれからの逆転を狙えばいいだけのことよ」
    「ご立派です、お嬢様……」
    「おお、さすが……。微妙に唇が震えてる上に、後ろで近濠先輩が言動をチェックしてるのが気になるけど」
    「まなみちゃん、そこ、つっこまないで……」
    「お嬢様」
    「ハッ――そ、そういうことだから、今は様子見みたいなものなのよ! いえむしろ、最終的に勝つものの余裕といったところかしら!?」
    「ひとまずこれで失礼するわ。ぽち、あなたはこのまま、まなみを手伝ってあげなさい。にゃお、行くわよ」
    「ハッ」
    「かしこまりました」
    「……美汐ちゃんもいろいろ大変だよね」
    「ええ、ずいぶんご苦労されています……」
    「ところで、電撃Himeさんで、わたしがみんなの紹介をしてるコーナーがあるじゃん? あれ、ここで公開しちゃうんだって」
    「あ、あれを公開してしまうのですか……。私もまなみさんの助手として登場しているので、ちょっと恥ずかしいですね……」
    「そんなわけで、このあと美汐ちゃんの回から紹介しちゃいます!」
    「まなみさん自身の紹介記事はこれからとなりますので、気になる方はこれから発売になる電撃Himeさんで確認してください」
    「よろしくお願いしますっ!」
    「そしてつぎは、第三位の発表です! でんでろでろでろ、でんでろでろでろ」
    「……もしかして、ドラムロールのつもりでしょうか。どちらかというと呪われた感じが……」
    「いいのっ! というわけで第三位は、悪い子が裸足で逃げ出す鬼の風紀委員、宇佐美沙織先輩です!」
    「宇佐美さんはメインヒロインの中では小柄な方ですが、三年生なんですよね」
    「っていうか、それよりさらに小柄な近濠先輩も三年生じゃん……。どうなってんのこの学園」
    「そんなのただの偶然です」
    「あ、宇佐美先輩! おめでとうございます、人気投票第三位ですよ!」
    「べ、別にそんなの嬉しくもありませんっ」
    「……でも、まぁ……風紀委員としての日頃の活動にご理解いただけるのはありがたいと思いますけど」
    「……そっかぁ、ツンデレかぁ……」
    「なるほど、これが……」
    「つ、ツンデレなんかじゃありません!! 言っておきますけどヤンデレでもありませんからねっ!?」
    「ヤンデレってなに? なにか、乙女力的に覚えておいた方がいいものなのかな……」
    「えっ!?」
    「私はそういうのにはとんと疎くて……」
    「宇佐美先輩?」
    「あ、アナタたちが知る必要のないものです! では、失礼」
    「あっ、逃げた!!」
    「菜緒さんによれば、宇佐美さんは活字媒体ならば手当たり次第に読む方だそうです。きっとそういう方面にも造詣が深いのでしょう」
    「そういう方面ねぇ……。まぁ、いっか」
    「ほら、まなみさんの紹介コーナーでも、その幅広い知識の一端を披露なされていたじゃないですか」
    「あー……ダメ。もう思いだせない。なんかいっぱいしゃべってたけど」
    「洪水のごとく情報が溢れてきますからね。まなみさんには少し荷が重――」
    「ッ……そんなこと言うと、アレ、バラすよ」
    「つ、続きまして第二位の発表になります!」
    「『カミカゼ☆エクスプローラー!』人気投票第二位になったのは、お兄ちゃんのクラスの委員長! 姫川風花さん!」
    「はい、風花さん、どうぞどうぞこちらへ」
    「えっ、あっ、あのっ?」
    「ど、どうも、姫川風花です……。えと……こっ、この度はごせんえんありがとうございましたっ!!」
    「風花さん噛んでます。ご声援が五千円になってます」
    「はぅあっ!? ごっ、ご声援ありがとうございましたっ!! 噛んじゃってごめんなさいっっ」
    「さすが姫川先輩、律儀というかなんというか……。こういった微笑ましい人間性が人気の秘密なんでしょうか」
    「いやいや、おっぱいでしょ」
    「おっぱ!? そ、そういう話はやめてよぉっ。まなみちゃんだって、私がえっちな話苦手だって知ってるでしょう?」
    「でも、現状じゃ微笑ましい人間性云々なんて知ってる人そんなに多くないと思いますし……となると、一番のアピールはアレだよね」
    「……アレ?」
    「なるほど、アレですか」
    「そう! 『カミカゼ☆エクスプローラー!』早期予約特典! 原画家・御敷仁先生描き下ろしによる姫川風花複製色紙!!」
    「人呼んで『おっぱい色紙』!!」
    「おっぱい色紙!?」
    「あ、ご本人はどういったものか知らなかったんですね……。これは凄まじい破壊力を秘めた逸品だと私も思いますよ」
    「ちょ、ちょっと待って!? どんな色紙なの!? 見せて! 私に確認させてください!!」
    「早期予約特典のおっぱい色紙はなくなり次第終了らしいので、気になる方は今すぐお店にダッシュしてご予約くださいね★」
    「誰かーっ!!」
    「それではみなさん、もうおわかりでしょう! 『カミカゼ☆エクスプローラー!』第一回人気投票、ナンバーワンの栄誉に輝いたのは!!」
    「ザ・ベスト・バスト・イン・澄之江学園!! 沖原琴羽だーっ!!」
    「ベストバストいうなーっ!!」
    「じゃあなんていえばいいのよ!! その巨大な物体!!」
    「いや、だから、おっぱい以外にもいろいろと魅力があるでしょ?」
    「……まぁ、琴羽ちゃんは確かにおっぱい以外の部分も魅力的だと思うよ? でも、たとえ他の部分が魅力的であっても、おっぱいがけた外れに魅力的だってことの否定にはならないよね?」
    「くっ……慶司みたいなへりくつこねはじめやがって……っ」
    「へりくつじゃないもーん、ちゃんとした理屈だもーん。っていうか、ほら、投票してくれた人たちに挨拶しなくていいの?」
    「うっ、そ、そうね……」
    「沖原琴羽です。みんな、応援してくれてありがとう。ゲーム本編では、様々なあたしの姿をお見せできると思いますので、是非ご期待ください」
    「……さすが、『ミス澄之江』に輝かれた経験をお持ちですね。こんな舞台だというのにそつがない」
    「ねー。キャラ作りすぎだよねー」
    「別に作ってないっつーの。それに応じた態度ってものが世の中にはあるでしょ?」
    「それに応じた態度ねぇ……ん?」
    「つまり、まなみに応じた態度は……うりゃっ、スリーパーホールド!!」
    「んぐぁっ! こ、これはっ!?」
    「首を極められるより、おっぱいのボリュームで背中から圧迫される方がはるかに苦しい!?」
    「まだいうかーっ!!」
    「んくぁああああああっ!! スリーパーホールドなのに背中が極まってるぅぅぅっ!!」
    「えー……」
    「……ふぅ、ひどい目にあった」
    「あえてそうされていたように見えましたけど」
    「そ、そんなことないよ……」
    「でもほら、琴羽ちゃんが1位になったことで、やっぱり決め手はおっぱいだったってのがはっきりしたわけだよね」
    「1位、2位はそれで納得ですが、3位以下はそうではないのでは?」
    「いくら決め手がおっぱいだって言っても、おっぱいのおっきさに票数が比例するわけじゃないから」
    「おっぱいのおっきさで投票する人は3番手4番手であるわたしや美汐ちゃんには、票を入れにくいものなのよ」
    「ふむふむ。つまり、おっぱいの大きさ以外の票で宇佐美さんが上位二人に肉薄したというわけですね」
    「そう、それを踏まえて、今後の戦略を考えると――」
    「わかりました、胸以外の魅力をいかに伝えていくかという――」
    「発売日までに1㎝でもおっぱいをおっきく育てあげたものが最終的な勝利者になるッ!!」
    「ええっ!? いや、それは物理的に不可能では……」
    「……そうなの?」
    「もうグラフィック作業とか進んでしまっていますし……」
    「もうおしまいだ……」
    「おっぱいの成長以外にもがんばれることはあるかと思いますが……」
    「それにですね、こちらをご覧ください」
    「なぁに……? 今回の順位表じゃん……そんなの何回見たって……」
    「票数のところをご覧ください」
    「ッ!!?? こ、これって……」
    「そうです。1位の沖原先輩と5位のまなみさんを比べても、その票数はおおよそ2.4倍の差。現状では、横並びと言っても過言ではありません」
    「逆転のチャンスはまだまだある。私はそう思います」
    「じゃ、じゃあ……」
    「1㎝どころか1㎜でもおっきくできれば……」
    「そろそろおっぱいからは離れた方がよいのでは……」