はるるみなもに！
スペシャル
『はるるみなもに！』発売日に向けて今日からはじまる集中連載企画！ 『海神さまが聞いてみて！』～
「新米へっぽこ海神のわたしだけど、少しでもみんなから拝んでもらえるように……このたび、当コーナーのパーソナリティを務めさせてもらうことになりましたっよろしくおっがいまっう！」
「って……さ、さっそく噛んじゃった気が……！ ううっ、大丈夫かなわたし……」
「へーきへーき。とりあえず第１回目の相手は私だから、たいていのことはフォローできるし」
「心強いっ……！ ありがとう、でもなるべく負担かけないようにがんばるねっ」
「それじゃあさっそく――」
「で、これどんなコーナーだったっけ？」
「やろうって言い出したの水緒里ちゃんなのに！？」
「えっと、わたしが物語の舞台である玉津江に来てから関わることになる女の子たちに、わたしがいろいろ聞いてみてみんなに予備知識としてどうぞー……み、みたいな……」
「うん、知ってる。そんな感じでみんな、よろしくねー」
「……あっ」
「それじゃ改めて。さっそくいってみて、かなちゃん♪」
「あ、ありがとう～っ……そういうわけで今回のお相手はこの通り、すっごく頼りになる山神さん、『稚向津水緒里神』こと山神水緒里ちゃんで～す」
「ほーい。やっほー」
「……何度横で聞いても、その挨拶はどうかと思うんだけど？」
「あはは、お付きの巫女の刀根依子さんも例によって一緒です」
「やっぱり水緒里ちゃんは生まれつきの現人神で、神楽谷――あ、これ山の方の地名です。で、２０００年に渡って拝まれてきた山神さんの二代目だけあるよね～」
「ふふ、どの辺が？」
「いつでも依子さんがついてるとこ」
「かなちゃんには代わりにうちのおにいがついてるじゃん」
「あ、うん。えへへ」
「でも、わたしの場合はへっぽこだからで、水緒里ちゃんの場合はなんて言うか……みんなからすっごい大事にされてて、みたいな感じで」
「なのにいつも自然体で、余裕ある感じなのがほんとすごいなぁって思う！」
「ふふ。こんな小さいのにね」
「自分で言うとこもね！？」
「まあこの姿は桁違いの神力を抑え込むためのもので、ほんとはバスト１０１くらいよゆーであったりするんだけどね」
「！？！？！？」
「海神さま以外にはすぐバレる嘘はやめた方がいいのでは？」
「うん、知ってる。すぐぶっつぶしに来る依ちゃんもついてるしね……」
「あはは……。すぐバレるって分かってて、それでも言うのが水緒里ちゃんなんだよね」
「相手のリアクション、楽しみにしてるっていうか。それって要するに、人とコミュニケーション取るの大好きーっていうことだよね」
「綺麗にまとめすぎなきらいはありますが、概ねその通りかと存じます」
「それってやっぱり……山から下りられないっていう境遇だから？」
「あ、そうなんですみなさん、水緒里ちゃんは山神さんだから、自分の山から下りられないんですっ」
「あーうん、あると思うなぁ。やっぱほら、そんなだから基本来てもらうしかないしさ」
「だからかなちゃんにもいつも、手間かけさせちゃってごめんね？ わざわざバスでさ」
「ううん、それはこっちこそだよっ。立貴くんと水緒里ちゃんが兄妹で世話焼いてくれるの、ほんと心強くて頼もしくてわたしっ……」
「……こうやって涙ぐんで感激してくれるかなちゃんだから、ほっとけないんだよね。私もおにいも」
「ましてや、おにいがかなちゃんの手助けするって決めたわけだからさ。そりゃ私も出来る限りのことはしたくなっちゃうよ」
「あはは、ありがとう……。『私、おにいの妹だもん』だよね」
「ふふ、それそれ」
「おかげですっごい心強いよ、助けてもらってる分、わたしももっともっとがんばるからねっ。がんばります！」
「そだね。かなちゃん今のままだとぜんぜん神様らしくないし」
「持ち上げて落とされた！」
「だからとりあえず、このコーナーやってみてもらったんだけど……私相手でもここまで話が逸れまくってると、んー、まぁ先が思いやられるなぁ」
「水緒里相手だからここまで逸れまくってる、と思うのは自分だけ？」
「困ったもんだよねー」
「あははは……すっごい返しづらい……」
「で、でもせっかくセッティングしてもらったんだから、めげずにがんばります！」
「おーさすがかなちゃん」
「そ……そんな感じで水緒里ちゃんは立貴くんの妹の、小さいけどいろいろすごい山神さまなんですっ」
「うんうん、それで？」
「それで……それで……いつも落ちついてて、ひょうひょうとしてて……」
「ち、小さいけどほんとすごいんですっ」
「うん、あんまり情報増えてない」
「ふあぁっ！？」
「しょーがない。このあとは私も手伝ってあげちゃおうかな」
「……ふへ？」
「私はこんなトコでいいとしてさ。あと４人分、私もかなちゃんと一緒にやるってこと」
「迷惑ならやめとくけどね」
「そっ……そんなことないよ！ わあっ、水緒里ちゃんと一緒に……すっごいうれしい～～っっ」
「ん、それじゃそういうコトで。……あとさー、かなちゃん」
「私が一緒にやるからには、えっちい質問とかも容赦なくいくからそのつもりでね！」
「えっ！？」
「少なくともおにいは絶対聞きたいと思うんだよねー、まじめおにいだからそうじゃないとは言い張るだろうけどさ」
「でも、本人が秘めてる期待にも応えるのが、土地神の務めだからね！」
「！！！」
「私のほんとのバストサイズは７１！」
「それは立貴さんも知ってるから」
「うん、知ってる。だからこそ他の子からは、おにいも知らないようなヒミツを一緒に探り当てちゃおうね、かなちゃん！」
「な、なんかコーナー趣旨変わってる気が～～っっ！！」
「結局、水緒里はいつでも楽しもうとしすぎてる、と申しますか」
「うんなんかすっごくよく分かった……」
